2月20日の黒岩航紀さん、五十嵐薫子さんによる「新星のピアノコンサート」
一昨日、無事終演いたしましたーー!
(※詳しくは次の記事に投稿したいと思います)
サロンはまだ工事中。竣工前のプレ公演です。
今回ご出演されたピアニストは、黒岩航紀さんと五十嵐薫子さん。 お二人は第84回、日本音楽コンクールにて優秀な成績を収められた演奏家さんです。
そして、
彼らの演奏はとても心に響く良いものがあると
個人的に思っています。
ただ、ここで一つ間違えのないように素直に伝えたいことがあります。
それはなにかというと、
決して「コンクールでトップだから良い」とか
「クラシックマニアだけが楽しめる企画だけをやっていく」という方針では無いということです。
100%実績主義ということではありません・・・!!
私自身、音楽が大好きで、その力を信じて
反対を押し切って音大に進学しました。
それこそ、彼らのように優秀でもなければ、才能も無く、英才教育を受けていたわけでもなく、ただの本当に平凡な田舎者でしたから、
当然はしにも棒にもつっかからないようなただの学生でしたが
卒業後は、音楽を「利益」にすることのみにフォーカスして仕事をしていた経験があります。
いわゆる、クラシック音楽のファン層と言われている5%の人たちに向けた企画ではなく、95%の興味のない人々に向けての企画ばかりを打ってきました。
音楽ありきの企画ではなく、お客さんありきの企画。
いわゆる「徹底的な顧客志向」による企画ばかりを打ってきました。
もっとわかりやすく言うと
クラシック音楽の敷居を下げた打ち出し方です。
ただ、その結果わかったことがあります。
それは何かというと
「音楽」ありきの企画ではない、ということは
「音楽」を軽視した 偽物 の企画、だということです。
集客さえできれば成り立つので、
3年くらいは続けることはできます。
ただ
中身が本物ではないということは、お客様もバカではないので
当然減っていきますよね。
これは自然の摂理とも言えるくらい、当然なことです。
続かないものというのは、驚くくらい中身が伴っていないもの。
ここで難しいのが
「音楽は決して=ビジネスにはならない、ということ。」
これは企業のコンサルタントを20年以上、約200社近くやってきた、ずっとビジネスの世界で仕事をしてきた代表が言います。
音楽の原理とビジネスの原理は残念ながら全く違います。
平等に扱うということはとても難しいことなのです。
ただ事実として
売れている演奏家と
上手いのに売れない演奏家がいる、という時点で
ビジネスとともに成り立っているという事実があり、
ともに歩んでいく必要があるということです。
これはわたし自身、一年を通して83公演と、ありとあらゆるコンサートや音楽イベントに足を運んで
肌で感じた事実です。
それを交通整備するのが企画や運営をしていく
私たちのお役目だとも、思っております。
【楽しかった!】というコンサートはたくさんあります。
ですが、
【良かった!】と思えるコンサートってどれくらいあるのでしょうか?
おそらく一生を通して数えるくらいです。
本当に人の心に刻むコンサートとは圧倒的に【良かった!】コンサートではありませんか?
そうゆう意味では音楽を単なる 娯楽 というふうに捉えられません。
クラシック音楽においては、特にです。
ベートーヴェンが絶望の淵に死に物狂いで書いた曲かもしれない・・・
ショパンが祖国を想って書いた曲かもしれない・・・
そう思ったら、決して娯楽というだけでは済まされない作品の数々だと思いますよね。
けどだからこそ、そこから今の時代を生きる私たちが感じ取れることもあるし
だからこそ、生きて行くうえでの英知となるのがクラシック音楽なのです。
とはいえ当然、
まずは入りやすいように娯楽から入ることもめっちゃくちゃに大事なことだとも思います!!
(矛盾しているように聞こえますが、本当に必要なことだとも、思うのです)
なので
色々なカタチのコンサートがあるのは、とっても喜ばしいことですし、
音楽ありきの企画であれば応援していきたいです。
実際、人それぞれコンサートに足を運ぶ際、何を求めてくるか?は
十人十色です。
うん。
だから、否定はなく、すべてOK。
良いのです。
ただ私たちとしては
【良かった!】コンサートを、本来もっともっと世に出てもおかしくないと思う才能あふれる個性が光る音楽家さんを通じて、企画を打っていきたいという、ただ純粋にそれだけなんです。
そして出演する演奏家さんは
クラシック音楽の本質を追求し、誠実に作品と向き合っている演奏家。
音楽は「芸術」でもあるので、自分らしさという 個 を持つ演奏家。
個性は最大の武器です。
ここまでつらつらと綴ってきましたが
最後にまとめます。
クラシック音楽は敷居が高いと誤解されがちですが・・・
あえて敷居を下げるようなことはしません!!笑
ただ
敷居は下げるようなことはしないで
誰でもが "本物の魅力" を楽しむことができるようにご案内したいと思っています。
私たちにとって、そのようなアプローチが一番適しているかなと。
かつて小沢征爾さんが言っていたように
良い音楽は愛と同じようにありすぎて困ることはない、と。
本当にそう思います。
そんな場の提供を、愛を持って
たくさんの個性あふれる演奏家さんの発信の場となるように努めていくのみですね!!